日本製紙が3工場の設備を停止

5月28日(月)に日本製紙勇払、富士、釧路の3工場の設備合計76万トンを停止する発表を致しました。

http://www.nipponpapergroup.com/news/mt_pdf/20180528-2mmn972.pdf

東洋経済では2割削減なんて書いてありましたが、実質は13%程のようです。マスコミはやっぱり大げさに書くもんなんですね。

やはり来たかぁって感じでした。電子化によるペーパーレスと人口減少が起因でここ数年業界全体が数%の下落を続けています。

アメリカでは1昨年あたりで、電子化が止り紙媒体へのシフトが始まったと聞きますが、我が国では少々先の話のようです。

今回の76万トンの減産でもまだ供給過剰感はあるようで、他のメーカーの追随が無いとまた日本製紙のシェアが飛ぶだけの事になるやもしれません。

現在パルプ価格が世界的に昨年比較で2〜3割も急騰しており、他国では紙の価格が上昇しているのが一般的なのですが、我が国では供給過剰のため上がるどころか、大凸価格に至っては下落しているとか。
抄造して、カットして、包装して、運賃かけて納品した紙の価格がパルプの価格よりも安いという笑い話にもならない状況が続いているようです。私どもが購入している価格とはあまりにも価格差があって、あくまでも情報として聞いている話ですが。


ちなみに、国内製紙メーカー双璧のもう1社王子製紙も洋紙関連は日本製紙と状況は変わらずなものの、ブラジルのパルププラントが今回のパルプ高騰により無茶苦茶儲かってるらしく、また戦略ミスでずーっとお荷物だった、中国南通工場も今ではパルプと洋紙の販売も絶好調で稼ぎ頭になっているとの事。3月期の決算でも国内メーカー唯一増収増益。たいしたものです。

中々しんどい紙業界ですが、本日の日経に印刷通販をやっているラクスルが上場したとありました。印刷機の空いた時間を買い取る分印刷単価を安くするという斬新なビジネスモデルとして有名ですが、要は印刷会社いじめなんですよね。付加価値つけて高く売れるならウィンウィンですが、相対的に印刷料金が下がっていくだけですので、いずれは立ちゆかなくなると思っていました。実際、最近テレビCMも減っていたり、1枚1円ってやつも言わなくなったりと、しんどいのかな?って思ってましたが意外でした。上場して集めた資本で新たな事業に投資して、早々に印刷ブローカー業から撤退を考えているのかと邪推。

富山の医薬品メーカー 薬価下げ対応へコスト削減

地元紙の北國新聞で、ジェネリックメーカーが薬科下げに対応してコストを削減とする記事が出てました。


富山県内の医薬品メーカーで、提携や再編で業容を拡大する動きが盛んになっている。医薬品の販路拡大や新薬の開発スピードを速め、競争力を高める。国の医療費抑制による薬価引き下げが課題となっており、スケールメリットを生かしたコスト削減の取り組みが活発化している。※5/24(木) 北國新聞社より抜粋


昨年、富山の医薬パッケージ印刷会社社長の講演をお聴きしたことがありました。

異物混入を徹底的に排除。製薬メーカーと同じ環境でパッケージも製造。スイスの時計メーカー同様最高級品質の製造こそが印刷業の生き残る道。といった内容でした。

高品質を維持するため、印刷物の半分を破棄する場合もあるとか。

でも結局そのコストはパッケージ代にONされているわけなんですよね。

これまでは製薬メーカーがそれなりに儲かってたので、高額のパッケージでも良しとしてきたのでしょう。

医薬に関しては素人ですが、今後、ジェネリックは特許切れ製品の減少、ただでさえ安い薬価がさらに下げられ、少なくともこれまでのような勢いづいた事業形態は続けられなくなることは想像されます。

今日の日経に、武田製薬のクリストフ・ウェバー社長が国内業界団体の役職を降りて平取の方に任せたとありました。世界を股にかけたM&Aやってる最中に、薬科下げで需要も減少する国内市場のおままごとにはつきあっていられないということなんでしょう。

今回のコスト削減で記事にこそなってはいませんが、当然パッケージ類も含まれているのではないでしょうか?

弊社も若干ではありますが、お仕事を頂戴しております。

本来、このような考え方を持ってはいけないことは重々承知しておりますが、ユーザーがほとんど見ていない添付文書や、空けたらポイ捨てする箱に高額のコストと相当の神経を使ってる現状について疑問を感じないといえば嘘になります。

富山の印刷会社さんは高付加価値品を製造する(しか製造出来ない?)工場を昨年ぐらいから稼働されています。製薬メーカーからのコストダウン要請が来た場合どう対応されるのか心配になった記事でした。

スマホが脳の発達に与える無視できない影響

東洋経済脳トレ川島隆太教授が書いた「スマホが脳の発達に与える無視できない影響」という記事を見つけまた。紙屋の職業病なのか?やっぱりスマホとかタブレットはダメやね系の記事はついつい見入ってしまいます。
https://toyokeizai.net/articles/-/220685

記事では様々な実験結果を紹介しています。かいつまんでみますと・・・。

スマホと学力の因果関係】
仙台市の中学生にテストをさせてマホと学力の因果関係を調べたところ、勉強時間が長くてもスマホ利用時間が長い生徒は点数が悪いとの結果が出てきた。特にLINEの使用がまずい。睡眠不足もあるが、スマホを使用することで、昼間勉強したことも忘れさせる可能性を指摘

スマホを近くにおいてLINEの着信音を鳴らした際の作業性】
勉強中や作業中にLINEの着信音が鳴ると、気が散ってしまい作業速度が遅くなることも実験で分かった。メッセージの着信があるとすぐに対応しなければならないとう強迫観念が災いして集中出来なくなってしまうようである。

【調べ物に紙とスマホを使った際の前頭前野の活動について】
紙媒体とスマホで同じ調べ物をしてみて脳の前頭前野の活動の違いを、超小型近赤外分光装置(NIRS)というもので血液量を計る事で比較してみた。血液量が多い方が脳が活発に働いている事になるようである。
結果、紙媒体の辞書の場合は前頭前野が活発に動いていたが、スマホの場合は全く働いていないという結果が出た。文章を書くときも同様の結果が出ているようで、今これ書いてる私の脳も実は働いて以内と言うことなのだろうか?
また、テレビやゲームも同様で長時間プレー・視聴すると言語知能の発達に悪影響を及ぼすとともに、脳発達、特に前頭前野の発達に遅延が生じることが明らかになっている。
そういえばまだ長男が乳幼児だったころ、JCの定例会で「ゲーム脳の恐怖」というお題の講演聴いたの思い出しました。

PC、スマホ、IT、AI人間は便利なものに飛びつきますが、便利=能力の衰えなんですね。確かに、漢字は書けなくなったし、暗算も出来なくなった。ネットでの調べ物は効率はイイけど、長時間やってると気持ちが萎えてくるというか、物事に意欲が無くなってくることが多いような気がします。

紙と電子ではやはり紙媒体の方が脳の活発化には良いようです。我が国は教育のIT化を強引に進めようとしてます。もちろんITを活用したほうが効果の高い教科もあると思いますが、やはり学力を向上させるためには、鉛筆で紙に書く、紙の文字を読むスタイルを崩さないほうが良いと思うのですが。
こんな誰も読んでいないブログで、こそこそ発信してもどうにもならない事は分かってますけど。

マイクロビーンズ

本日、3件のメーカーさんとの商談ありましたが、商談そっちのけで廃プラネタ。他人の不幸は蜜の味って訳でもないのですが、我が紙業界だけが盛り上がってるかもしれません。

ちなみに今日のネタは、、、。

私はほとんど使いませんが洗顔フォームや歯磨き粉につぶつぶが入ってるやつありますよね。あれはてっきり、洗剤や磨き剤を固めたものだっと思ってましたが、あれも実はマイクロビーンズというプラスチックなんですね。微小のプラスチックが洗剤と一緒に毛穴に入って奥の汚れを掻き出すという仕組みのようですが、このマイクロビーンズも洗剤と一緒に流されるわけですが、下水処理場のフィルターをくぐり抜けて川や海に垂れ流され、またもや川底や海底に沈殿しているのが現状だそうです。

欧米の化粧メーカーは2年ほど前から既に自主規制しており、もう近々法規制されるにも関わらず、我が国は完全に出遅れていてまだ調査段階だとか。

今日帰ってから我が家のスクラブと歯磨き粉もチェックです。

廃プラ談義に花が咲く

5月17日(木)
今日も、数社のメーカーさんと商談。このところ我が紙業界は、廃プラ問題に関するニュースで大賑わい。プラスチックの利用が減る代わりに紙の需要が増える訳でもないのですが、ついついこの件に関する情報交換で盛り上がります。

今日耳にしたのは、米英の研究開発機関がプラスチックを消化分解する酵素を偶然発見したという事でした。

これの事かな?
http://www.afpbb.com/articles/-/3171442

「イデオネラ・サカイエンシス(Ideonella sakaiensis)」という細菌(※この細菌は日本人が見つけたようですね。発見者はサカイさん?)が、PETを常食するそうで深刻な廃プラ問題を解決する重要なファクターと考えられている模様。

この細菌を利用した廃プラ処理技術が確立されると、バラ色の未来が・・・と、一見そう見られがちですが、決してそんな単純なものでは無いかと思います。

この記事探している途中で見つけましたが、1950年頃から製造が始まったプラチックはこれまでで80億トン製造されているそうです。そして現在、故意・過失合わせて年間800万トンが海洋投棄されていると言われています。

これらを分解させるのにどれくらいの細菌が必要なのか?現代の技術があれば、大量培養させることは可能かもしれません。その大量培養された細菌を果たして人間が管理出来るのか?勝手にどんどん増殖してって、世の中のプラスチックを全て食べ尽くしてしまうのではないか?

とつい考えてします私はイイ年こいてSF小説の読み過ぎ?

クローズアップ現代でペットボトルゴミに関する問題を取り上げ

クローズアップ現代のサイトでペットボトルゴミに関する問題が取り上げられていました。

http://www.nhk.or.jp/gendai/articles/4126/index.html

中国は急速な経済発展から資源不足に直面し、先進国より資源ゴミを輸入しリサイクルして利用することで、なんとか支えてきました。廃プラに至ってはその量たるや世界の6割も。しかし賃金の安い農民に資源ゴミの汚れを洗い落とし分別させることが限界に。さらに洗い流した汚れが土壌や川に流れ深刻な環境汚染を引き起こし、中国政府は混乱を覚悟で輸入禁止に舵を切りました。

中国に廃棄費用よりも高くゴミを買い取ってもらっていた先進国はここで大慌て。ヤードには行き場のない廃プラが山のように。韓国では街中にペットボトルゴミが放置されたままのところもあるとか。

そこでEUは中国ショックの対策として、域内で出回るプラスチックごみを2030年までにすべて再利用・リサイクルにする計画を打ち出しました。果たしてそんな簡単に事が進むんですかねぇ。安価なプラスチック利用することで快適な日常生活が回ってますから。

我が国日本は、プラスチックごみの輸出量の72%(年間100万トン)を中国に依頼いしてました。中国の輸入禁止直前に駆け込み輸出したそうで、(意外にしたたかですね)今のところ問題は表面化していないそうですが、パンクするのは時間の問題でしょう。
我が家でもそうですが、家庭から排出されるプラスチックごみは、汚れが落として分別回収しているので、国内でリサイクルが可能だそうです。が、飲食店やオフィスから排出されるプラスチックごみは分別されず、汚れたままで回収して中国へ輸出されていたようで、この汚いゴミがどんどんたまり続けているのが現状のようです。

一応タイやベトナム、マレーシア等に輸出をシフトしているそうですが、キャパに限界があり、それぞれの政府も今後規制を検討している模様。


大阪商業大学公共学部の原田禎夫准教授は欧州のデポジット制度を推奨されています。
「ペットボトル飲料に5〜10円上乗せして販売。客は飲んだ後に、ペットボトルを店に設置された返金機械に入れると、上乗せ分が返ってくる仕組み。この機械は返金だけでなく、缶や瓶、ペットボトルを自動仕分けしてくれる」

そういえば昔、コーラの瓶をお店に持ってったら10円?ぐらい返ってきてましたね。そういえば、アメリカ留学中近くの大学にコーラの自販機があって、その横に回収マシーンも併設されていて、投入すると10セントぐらい戻ってきてました。ポイ捨てされていた缶を集めてはちょっとした小遣いかせぎやってたような・・・。

ただ、リサイクル品の活用が中々進まない現状を鑑みるとリサイクルには限界があり、やはり日常生活でプラスチックの利用を減らしていくことも必要ですね。昨晩の名古屋での会合でも、乾杯時に偉い方が同じようなこと話されてました。

ちなみに、廃プラ問題ほど公になってませんが、古紙業界も結構切羽詰まってきているとのことです。紙ゴミがヤードにたまってきて、古紙回収業者さんもそろそろおしりに火がついてきた模様。の割には家庭紙も板紙も「古紙が高くて・・」なんて言ってるのがよく分からない。

ゴミ問題は今後も注視していかなければならない深刻な問題ですね。また記事をみつけたら、アップしていきます。

英国プラスチックゴミの一掃を宣言

CNNにイギリスのプラスチックゴミに関する記事がありました。

https://www.cnn.co.jp/business/35118543.html

コカ・コーラネスレユニリーバプロクター・アンド・ギャンブル(P&G)など飲料や日用品の世界大手を含む40社あまりがこのほど、英国でプラスチックの使用量と廃棄量を減らすと宣言した。とあります。

プラスチックの使用量は、過去50年で20倍に増大し、今後20年でさらに倍増が見込まれ、EUは、全加盟国で2030年までに、ストローなどの使い捨てプラスチック製品を禁止させたい考えとの事。

英政府は化粧品などに使われるプラスチック製マイクロビーズの禁止措置や、ビニール袋に対する税金を打ち出したほか、プラスチックストローなどの禁止も検討していて、ヨーロッパのプラスチックゴミに関する意識の高さが窺えます。


といった記事があがった一方で、プラスチックを食べる強力な酵素を英ポーツマス大学と米国立再生可能エネルギー研究所の共同研究で発見したとあります。

https://www.cnn.co.jp/fringe/35117966.html

依然研究段階ですので、まだまだ実用化は先の話だと思いますが期待するところであります。

弊社も化成品関連の製品を取り扱いしていますが、メーカーさん方世の中このような方向に向かってることあまりご存じないような感じがします。紙業界だけが騒いでいるのかもしれませんが・・・。